誕生秘話1
集音器「CHOJU」開発の想い
                            2016年11月5日  

                                                          株式会社エース・E&L  

                      代表取締役社長 津田博通  


 株式会社エース・E&Lは、難聴者の方々の生活上の不便を解消するため、集音器「CHOJU」の開発を行いました。現在、市販されている集音器および補聴器は、たくさんのメーカーから提供されています。これらの商品の問題点を解析し、「CHOJU」の開発に反映しました。

 1.開発を始めた動機  

 私は、18歳で田舎から東京に出てきて以来、毎年お盆休みに帰省し、親類の家を訪問しお線香をあげています。このとき従兄の家を訪問しますが、従兄の耳が聞こえず会話にならないことが長い間気がかりなことでした。この従兄は、三陸海岸の漁村で毎日新聞を読み、TVを見ている生活です。TVは耳が聞こえないため、ただ画面を見ているだけです。家族とも会話ができません。 昔の漁師の年金は少額で、補聴器のような高額商品を購入できません。また、購入できたとしても、高齢者が三陸海岸の山道を車で走って毎月音質調整のため病院などの施設に通うことはできません。このため、年金暮らしの人が購入できる値段で、自分自身で音量、音質を調整できる集音器「CHOJU」の開発を考えました。自然で楽しい生活を取り戻すには、まず他人と会話ができる環境を作ることが大切と考えています。話ができて他人と交流ができれば、アルツハイマーの防止にも役立つと信じています。

 2.開発のコンセプト

 年金生活者が購入できる様にコストを安くすること。なおかつ自分自身の耳に合わせて音量、音質を調整でき、十分に他人と会話ができる商品の開発です。音が聞こえるだけの商品ではなく、他人の声が聴き分けられる商品です。「CHOJU」は一見不格好ですが、使い始めると良さが分かります。それは、使い勝手が良いからです。 現在市販されている補聴器は高額です。ある資料には、高額な補聴器の4台中3台が使用者にあわず、使用されずに捨てられていると記載されています。使用されているのは4台中1台のみです。このことは、いかに人間の耳に聞きやすい音を作ることが困難なことであるかを示しています。

 3.アンケート調査で分かった事柄
 「CHOJU」の開発中は、試作段階で何度もアンケート調査を行いました。 特に主流になっている補聴器の問題点が明らかになりました。

 3.01 手の平サイズの中に無理にイヤホンとマイクを近づけると必ずハウリン  が発生し、聞きにくい音
  質になります。補聴器は手のひらサイズ でなく、耳の 中にイヤホンとマイクが無理やり閉じ込められ
  ています。ハウリングが発生 するのは当然のことです。補聴器はハウリングを抑え るため音量を抑え
  ること や、回路的にいろいろ細工するため、自然な音質でない合成音を聞かせること になります。
 3.02 「CHOJU」は、ハウリングを抑えるため、イヤホンとマイクを離し、聞き やすい自然な音質を実
  現しました。
 3.03 補聴器は病院や施設で調整をしてもらっていますが、閉じられた環境では  患者さんは聞こえた
  と判断しますが、雑踏や駅などの混雑した場所では聞え が悪くなります。患者さんは、このような環境
  に慣れることを強いられますが、 もともと病院や施設での調整が、ベストのポイントに調整されたの
  か、調整 する側も患者さんもわかっていないように思います。「CHOJU」は環境に合 わせて自分自身
  で音質、音量の調整が可能です。
 3.04 「CHOJU」の左右の耳の調整機能で、脳のアンバランスが解消されると 「耳鳴り」から解放され
  たという事実が多数報告されています。
 3.05 「CHOJU」は低音、高音の調整機能を使いなれてくるに従い、音量の設定  が次第に低い方向に
  移動します。良い音を聞きなれると、脳の音を認知する特  性が改良されるためと考えられます。
 3.06 「CHOJU」を初めて使用した人から、自分の声が大きく聞こえすぎと クレームがつくことがあり
  ます。しかし、難聴者はもともと大声で話をする習 慣があります。マイクの前で、以前と同じ大声で話
  をすると高く聞こえるのは当たり前です。この原理を説明すると、次第に小さい声で話をする習慣が身
  に付きます。
 3.07 「CHOJU」を初めて使用した人の一部に、音がこもって聞こえると言われ ます。この原因はイヤ
  ホンのイヤピースのサイズが耳に合っていないか、 しっかり耳に装着されていないときにおこります。
  使い慣れるとクレームが なくなります。
 3.08 補聴器について話をしている女性の声がきこえ、気軽に声をかけ話の輪に 入りました。この女性
  は、使用している左耳の補聴器を最大の音量に設定しても聞こえなくなっているようでした。お医者さ
  んから右耳用の補聴器を購入し、左右の耳のバランスを取ると左耳が聞こえる様になるとアドバイスを
  受けた そうです。私が持っている集音器「CHOJU」を使用してもらいました。音量を小、中と上げ更
  に大に上げたところ、「声が聞こえると」とにっこり笑いました。補聴器は電池容量が小さく音量を上
  げられません。また、もっと音量を上げるとハウリングが発生し、音が聞こえても「人の声を判別でき
  ません」
 3.09 同じ様な問題の方がおります。病院の診察で補聴器をつけても聞こえ  ませんと見放された方を知
  人から紹介され自宅を訪問しました。 すぐ「CHOJU」を試してもらいました。音量を小から中に上げ
  たら聞こえま した。補聴器によって音量の違いがかなりあることが分かります。
 3.10 3,08、3,09、の経験から「CHOJU」は単4の電池を使用しているため、音 量をかなり上げても、電
  池寿命は100H使用可能です。一方低音量の補聴器 でも、毎日電池交換が必要になります。
 3.11 司法関係の仕事に関わっている方の実例を紹介します。この方は補聴器を 数台お持ちで、状況によ
  り使い分けをされています。裁判所で裁判官の話を聞 いていると、今まで使用していた補聴器では、言
  葉を明確に聞き取れず、勘違 を起こすことが時々あったそうです。 「CHOJU」を使用したら、間違
  いなく 裁判官の話しが聞き取れるので、喜んで使用されています。
 3.12 普通乗用車を運転している方の経験です。この方は通常補聴器を使用して いるのですが、
  「CHOJU」を試聴してもらいました。この方は車の運転中にワ イパーの音が聞こえたと驚いていまし
  た。今までワイパーの音が聞こえていな ということは、運転中に周りの音が聞こえていなかったので
  す。非常に危険な 状態で運転していたことになります。
 3.13 軽トラックを運転している方の経験です。この方は補聴器を使用していま すが、「CHOJU」を試
  聴してもらいました。この方は、軽トラックの運転中に エンジン音が高く聞こえると、問題化されまし
  た。調査の結果、イヤホンの特 性に問題があることが分かり、イヤホンの周波数特性を改良しました。
  また、 低音側の設定を低くしたところ、エンジン音もあまり気にならない程度に改良 されました。
 3.14 同様に音楽の詳しい方に、「CHOJU」を試聴してもらいました。この方は  補聴器の販売店に出
  向いて、自分の耳に合うように調整を行える技術を持っ ています。この方から「CHOJU」で音楽を聴
  いていると高音特性が良くない と指摘を受けました。3,13、項のイヤホンの改善品を試聴してもらった
  ところ 改善を認めていただきました。
 3.15 大工さんをしている方の経験です。この方は長年釘打ち機を使用していま したので耳がかなり聞
  こえなくなっています。他社の高額集音器を使用してい ますが聞こえが悪く、他の人が耳の近くに口を
  当て大声で話をします。それを見ている人は老人をいじめていると思いますが、それほど耳が聞こえま
  せん。 この方に「CHOJU」を試聴させると、「ニコニコ顔」で回りの人たちと会話を しています。
 3.16 補聴器は、使用中に耳から外れて失う人が結構おります。高額商品が簡単 に耳から外れて失うの
  は大変な損失で問題です。
 3.17 補聴器の電池も交換が難しく、電池を紛失しているケースが多くあります。 また、毎日交換が必
  要でのすコストが高額です。
 3.18 難聴者になりやすい職業があります。くぎ打ち機を使用する大工さん、草刈りや木の伐採に使用す
  るチェンソーを扱う人、バンドマン、鉄骨の組み立て並びにタンカー製造従事者などです。大音量の職
  場環境で働いている人は、かなり要注意です。

4.「CHOJU」の特徴

 4.1 補聴器の様に毎月調整に病院や機関に通う必要がなく、自分の聞きやすい音質に自分自身で調整可能
  です。  
 4.2 音量、音質の調整は1週間くらい使用すればポイントが分かります。
 4.3 人の声が判別しやすい、誰の声かが分かります。
 4.4 雑音がない(雑音と自分の声が大きく聞こえる人は音量の設定が高い)
 4.5 ハウリングない(マイクとイヤホンを手の平に入らない様に離している)
 4.6 調整周波数範囲が100Hzから10KHzで、高音のみでなく低音とのバランスにより、本来聞こえにく
  い高音が低音量でも聞き取れます。
 4.7 イヤホンは両耳用を使用して、左右の耳のバランスを調整することで脳の働きのバランスが取れ、
  耳鳴りなどが消えます。
 4.8 使用当初高音量で使い始めても、脳が慣れてくると音量を低くしても聞こえる様になります。
 4.9 補聴器は装着したままお風呂に入ると、水に浸かって破損します。集音器はイヤホンがあるため、
  このような事故には遭いにくい構造です。  
  (老人ホームやデイサービスなどで、訴訟問題になっている)
 4.10 高性能のイヤホンを使用しているため高音の歌手などの声が聞きやすい
 4.11 高性能のマイクを使用のため音の割れがない

以上